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iFreeレバレッジETFには夢がある?答えはNO!ツミレバ投資に若者の夢が奪われます!

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Point
☆NASDAQ100、SP500にレバレッジをかけて投資するETFの特集が組まれる
☆夢があるどころか夢を失う可能性のある投資商品
☆投資は重要、しかし投資商品を見極めることはもっと重要

R25で月3万円で億万長者になれる!というツミレバ投資が記事に。
若者の夢を潰しかねない危険な商品です。

大和証券から販売されているiFreeレバレッジETFが話題になっています。今回テーマにするのはiFreeレバレッジETFSP500と、iFreeレバレッジETFNASDAQ100の2種類のレバレッジETFです。

それぞれ米国株式の代表的な指数であるSP500とNASDAQ100の2倍の値動きの2倍程度を値動きの目安として運用することを目指したETFです。

iFreeレバレッジ NASDAQ100 /大和証券投資信託委託株式会社

iFreeレバレッジ S&P500 /大和証券投資信託委託株式会社

レバレッジ、という言葉が入っているのでわかるように、変動の大きいETFです。それゆえ、私もそうですが、投資初心者がホイホイ買うものではありません。

しかし今回、この商品が社会人経験もまだ浅い、投資経験もないことが大半である若者向けに販促をされる事態となっています。

きっかけは新R25で特集を組まれたこちらの記事です。

r25.jp

記事の表紙にて大和証券側からは、

「ツミレバ投資には夢があります!」

と煽り文句を書いています。

しかしわたしはこう答えます。

「ツミレバ投資に夢が奪われます!」

おお、今回はずいぶん過激じゃのう

大和証券の熊原祐次氏とZOZOの田端信太朗氏が大和証券が販売するiFreeレバレッジETFについて新R25紙面上にて討論するというこちらの企画。

熊原氏はiFreeレバレッジETF、とくにNASDAQ100について熱弁を続けます。

過去30年のデータを元に毎月3万円ずつiFreeレバレッジETFNASDAQ100に投資するとなんと20倍になり、2億5千万円になるんですよ!私も資産の殆どをiFreeレバレッジETFNASDAQ100に投資しているんですよ!とちょっとポジショントークにしても過ぎるような発言を続けます。

しかし、この投資商品は非常にリスクが高く、特に今回の記事の対象となるような社会人経験が浅く、投資経験の少ない若者が財産を突っ込む商品ではありません。

以下よりその理由を説明していきます。

田端信太朗氏の意見は非常に真っ当なもの。(ただしだいぶマイルド)

企画中の熊原氏の熱弁に対し、田端氏の反論は以下。

  1. 過去の実績は理想論であり、未来は予測できない
  2. レバレッジ型のETFは市場と連動しない
  3. 販売手数料が高い

レバレッジETFの問題点について田端氏の話す内容は非常に理にかなった話です。ただ今回は招かれてお話を受けているということで、相手のメンツをつぶさずにマイルドに話をされている印象を受けました。

大和証券の発売するiFreeレバレッジETFについて、まずは今回話題になったR25の特集記事の概要に基づいて順に説明していきます。

過去の実績は理想論であり、未来は予測できない

過去30年のNASDAQ100の伸びは目覚ましいものがあります。GAFAを中心としたハイテク系は近年目覚ましく伸び続け、2019年現在においてもアメリカ経済を支えています。

iFreeレバレッジETFNASDAQ100が過去と同様のパフォーマンスを叩き出して、この理想論と同様のパフォーマンスを上げるためには、2050年までハイテク系が変わらず同様の伸びを続ける必要があります。

田端氏は、GAFAの成長は既に8,9合目まで来ているとの見方を示しています。それ故今後のNASDAQ100の成長はどこかで歯止めがかかる、もしくは軟調になるとの考えもあるのかもしれません。

(参考サイト様)

keiei.freee.co.jp

田端氏としては米国株に投資する考えは完全に同意だが、NASDAQ100のようにハイテクに偏りがちなインデックスではなく、同じiFreeレバレッジシリーズのiFreeレバレッジETFSP500のように企業を分散しているETFに投資をするほうがいいと提言しています。

ちなみに、熊原氏はこの項においてめっちゃ米国経済の有用性について熱弁しておるぞい

米国経済に期待を持つのは私も同意するのだが、かといってハイテク系NASDAQ100に全てをかけるのは米国関係なく投資の基本である分散が行われていないと感じるがな。

投資の基本は分散、長期、積み立て。はっきりわかんだね。これが根底に無いから会話がかみ合わない。

レバレッジ型のETFは市場と連動しない

これに関しては記事内の図表が非常にわかりやすいので拝借いたします。

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レバレッジETFは横ばいが続くと指数と連動しない、というケースがあるとの指摘です。これに関しては熊原氏もはっきりとレバレッジ型のリスクとして認識しており、説明をしてくれます。
表の数値を見ても一目瞭然の通り、上昇、下降を繰り返すと指数にレバレッジをかけている場合アンダーパフォームしてしまう場合があるというのです。

加算処理じゃなくて乗算処理だから、レバをかけている分落ち込みがひどくなり、また回復も難しくなってくるというわけじゃな…。

もちろん下落時の幅が大きくなり、場合によっては半年で資産が半分になってしまうことも考えられる。そこで狼狽売りが進んでしまうのではないかと田端氏は言及します。

一方で熊原氏は、そのため、毎日1000円ずつ積み立てることで投資に対する不安を解消できると言っています。

(´゚ω゚):;*.':;ブッ

いや、狼狽売りしちゃうんじゃないかって言ってんのに、毎日1000円ずつ積み立てて不安を解消できますよって…話が完全にかみ合ってないですよね…。

レバかけてない投資でもリーマンショックで資産が半分になるような状況だと、レバETFだとほぼ資産0になると思うんですけどね…。そりゃビビるよ。

しかも毎日1000円積み立てって結構デカい額じゃよ?

販売手数料が高い

販売手数料が2.2%、信託報酬が0.9%というノーロードが主流の現代では非常に高い手数料が設定されています。

これに関しては言っている意味が全然分かりませんでした。

以下、熊原氏の発言コピペ

成長が見込めそうな商品を「手数料があるから…」って避けるのはもったいないと思いませんか?

その成長を妨げるのが高い手数料(と信託報酬)だと私は思うんですが… 。

手数料が利益を妨げることがよく知られていたからこそノーロード商品が主流になってきているのに、あえて手数料があるからと避けるのはもったいないと考える熊原氏。

もちろん、成長が見込める商品かどうかを見極めるのは我々全ての投資家一人一人の判断によります。

投資家が成長を見込んだ商品だったのか、それは未来のみにわかることでしょう。

 

ここまでのまとめ
☆あくまで過去のデータを元に期待しており、未来の補償は一切ない!
☆暴落時に弱いのはもちろんのこと、横ばいにも弱い!
☆手数料はノーロード商品と比にならないほど高い!

 

レバレッジETFが若者向き!?食いつぶす気満々でしょうよ!

前置きが長くなりました。ここから私の意見です。

iFreeレバレッジETFは私は買いません。そして若者に勧めようとも思いませんし、買おうと悩んでいる若者がいたら全力で止めます。

理由は前述の田端氏が言っていることとほぼ同意なのですが、私の見解を付け加えておきます。

①NASDAQ100とドットコムバブル

NASDAQ100に代表されるように、ここ10年近くの米国経済の成長はハイテク株を中心として成長してきたと言っても過言ではないでしょう。ダウ平均やSP500と比較しても頭一つ抜けて成長しています。

iFreeレバレッジETFNASDAQ100を過去10年間投資を続けていれば確かに大きな資産増加を望めていたに違いありません。

では一方暴落の可能性について見ていきましょう。

レバレッジETFは下落幅にもレバレッジがかかってしまうため、その後に大きく相場が上がらないとパフォーマンスを取り戻しにくいのは記事内に合った通りです。

そして、待ってください!米国経済は不況を乗り越えてこんなに成長を続けているんですよ!と熊原氏が見せてきた図は何故かダウ平均のチャート。

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え、なんで急にダウ出してきたの?NASDAQ100の話をしていたんだからNASDAQ100のチャートを出せばいいんじゃないの?

これまでNASDAQ100とSP500の話をしていた中で唐突に出てきたダウに草だな。

こちらはNASDAQ100のチャートです。カーソル位置は約20年前の2000年3月。

ちょうどドットコムバブルの全盛期でしたが、2年後にはあえなく破裂します。

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2000年3月と2002年10月の間の約2年半のNASDAQ100とSP500の変化を比べると、

  • NASDAQ100:4587→814(-83%)
  • SP500:1464→827(-44%)
  • ダウ平均:11112→7986(-29%)

通信関連銘柄の多いNASDAQ100はドットコムバブルの影響をもろにうけ、ピーク時から80%以上低下し、同程度の水準まで回復するのに15年を要しています。

もしGAFAなどハイテク株に同様のバブル崩壊のような下落が起こった場合、一番影響を受けるのはNASDAQ100でしょう。これがレバレッジをかけたiFreeレバレッジETFNASDAQ100なら一瞬で灰になる事に疑いの余地はありません。

疑いようのないこのような歴史があったにも関わらず、熊原氏は何故かダウ平均、しかも指数関数チャートを持ってきて暴落幅を小さく見せてきた、というのは果たして勘繰りすぎでしょうか?

今回の特集を友好的に見る人に、被害を少なく見積もらせようとする思惑がちらほら見えるのう

②販売手数料が高すぎて、パフォーマンスが出ない

やはり指摘のあった販売手数料の高さは問題です。

例えばよりリスクの低いiFreeレバレッジETFSP500と、同様に大和証券から販売されているiFreeSP500インデックスの手数料の違いは以下となります。

  販売手数料 信託報酬
iFreeレバレッジETF SP500 2.2% 0.99%
iFreeSP500インデックス 無料 0.243%

この条件下で1年で1万円、22年間SP500が7%増加し続けるという、iFreeレバレッジETFSP500に圧倒的有利な状況で投資を続けたとします。

結果は以下となります。

5年で10%、10年で30%、15年で60%、22年でようやく2倍のパフォーマンスの差が出ます。(同程度の手数料なら22年間で3倍弱のパフォーマンス差)そして本来購入者の懐に入るはずだった資産は、手数料として証券会社に入るわけです。

2倍のレバレッジかけて、最高の条件を維持してやっと22年で倍のパフォーマンス差がつくのかの…

そして22年という長い時間は、相場に何かが起こるのには十分な時間だな…

R25という、社会人としてこれから活躍してほしい若者たちへ

この記事が掲載されるR25はその名の通り25歳前後の社会人にこなれてきた若者たちをターゲットにする記事です。

給与水準や、社会保険料の現状を顧みるに、これからの若者の殆どは給与だけで十分生き残れるような状況にはなっていません。よって、この世代の投資は私も強く推奨します。

しかし、そこに長期積立に全くそぐわないこの商品について勧めるような記事を「超大作!」といって書いてしまうのはいささか考えてしまいます。

この記事をみてレバレッジETFをほいほい買ってしまうくらいなら、全世界株式+ノーロード投資信託をつみたてNISAで買っておきましょう。そう言い切れるくらい今回のiFreeレバレッジETFはうかつに手を出してはいけない商品です。

 

米国株、インデックス投資自体の考え方は非常によい考え方です。

わたしも実際インデックスをベースにした米国株投資を行っています。

www.smallbird.work

 

それでも買おうと思うなら、カレーに添えるらっきょうくらいの存在感がちょうどいいと私は思います。ごはんやルーにはもちろん、じゃがいもやニンジン程度の存在感も無い方がいいでしょう。

投資は自分のお金に働いてもらう大事な選択の場です。きちんと見極めて、後悔の無い選択が出来るように決めましょう。

 

まだ社会に出たての若者が、悪い大人の食い物にされないように!是非金融知識を高めていってね。応援クリックいつもありがとうございますぞい!

 

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