サラリーマン以外で稼ぐことは悪ですか？株式投資をギャンブルと言い切ったバイト先の上司の行方は…？

今回のテーマじゃよ(´ω｀*)

労働収入以外の収入は少数派で、時に悪として認定される
サラリーマンだけやって生活するのはリスクが高い
投資家は少数派だが、特別なことではないし、もちろん悪ではない

ZOZOを売り逃げたのは卑怯？本気で言ってるの？
株式投資はギャンブルだ！と言ったバイト先の上司の思い出
サラリーマンも、株式投資もギャンブルなのは同じ
投資家は少数派だが、特別なものではなく、当然悪ではない

ZOZOを売り逃げたのは卑怯？本気で言ってるの？

少し前になりますが、ソフトバンク傘下のヤフーがゾゾタウンを経営するZOZOを買収すると話題になりました。ZOZOの前澤社長は自身の持ち株を譲渡して、経営を退く方針のようです。

「ZOZOスーツもコケたし、経営が行き詰まってあわてて売却したという印象」

「100万円バラマキ企画あたりから怪しいと思ってたけど……こういうオチか」

「社員を捨てて自分だけ株の売却益でお金を手にするのはやり方が汚い」

と冷ややかな声もあるようです。

株を売って辞任することを「売り逃げ」って頭ごなしに言う人に聞きたいんだけど、じゃあ自分で出資して創業した会社は、何があっても株を持ち続けて自分が意固地になって死ぬまで経営すべきなの？株を売ったり辞任することで会社の明るい未来が見えたとしても？それでも続ける事が責任ある経営？
— Yusaku Maezawa (MZ) 前澤友作 (@yousuck2020) September 23, 2019

人は、自分のもつ常識から外れたものに対して批判の先を向けます。たとえ経営判断だとしても、自身の会社を売ることで巨額の富を得ることが理解できません。

今回批難の的になった原因に、「株式譲渡で2000億円の利益を得た」ことがひとつあげられるかと思います。これはビジネスで成功した正当な報酬であると思いますが、人によっては「自分だけズルをして儲けたお金」とさえ思っている節があります。

ほとんどの人は労働対価として給料を得ており、それにより生計を立てています。一方、自分の商売を作って会社を経営することも、それを売る譲渡益を得ることも、「自分にはない何か特別なもの」だと思っており、「あいつは抜け道を使ってずるい奴だ」とすら思っています。

道はひとつではありませんよ。

労働以外、それこそ自分でビジネスを作って儲けを出す起業や株式を始めとする投資によって対価を得ることは邪道、もっと言えば悪なのでしょうか？

結論から言えば悪ではありません。資本主義経済においてピケティの示した「r>g」は有名かと思います。株式など資産運用によって得られる利益（ｒ）は労働で得る利益（ｇ）よりはるかに勝っており、資産運用をしなければその差は開く一方です。

まんがでわかるピケティの「21世紀の資本」 (まんがでわかるシリーズ)

ビジネスや資産運用のような「人やお金を働かせる」ことで出た利益は、単純に労働するより多くの富を生み出すことを、多くの人は知らないまま生きているのです。

株式投資はギャンブルだ！と言ったバイト先の上司の思い出

10年以上前の話になりますが、私が大学時代の時、当時はちょうど中国の景気がうなぎ上りになっていた時代です。あるバイトの休憩中に控え室を見渡すと、どうやら社員さんが読んでいた中国株についての本がおいてありました。

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こんなのだった記憶。

私がアルバイトをしていたのは2004年4月～2007年3月だったのでちょうど中国経済が話題になっていた時期だと思います。当時の状況を察するために上海総合指数を見てみましょう。

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2006年から2007年にかけて、5倍近く株価が上昇しています。翌年にはまた大きく下げているので、バブルの様相を呈していますが大きな話題になったのもうなずける話しです。

本は常に休憩室に常に置いてあり、誰の目にも触れることができました。そしてある日、どうやらその本が取締役（指導をするため度々店に出向いていた）の目に触れたようです。

この取締役ですが、仕事に熱意はあるものの、ワンマンで厳しいノルマを課していました。店長はよく店のカウンターで説教をされていたのをよく覚えています。ノルマに達しなければ自ら買い取って数字をごまかす、何てこともしていました。

私はノルマ達成のために買われたコーヒーをもらったりしてましたけど( ´艸｀)

そんな仕事熱心な取締役の熱いメッセージを書いた付箋が貼られていました。要約すると、「株なんてギャンブルをしないでしっかり稼ぎなさい」といった趣の言葉が書いた付箋が貼ってありました。

当時の私は当然長期投資どころか株式投資もやっていなかったので、「そうか、株はギャンブルだから手を出さず、ちゃんと働いたほうがいいんだな」としか思っていませんでした。

しかし私が社会人になってまもなく、その会社は潰れました。

株式投資をギャンブルと言い切った当時の取締役も店長も社員さんも連絡を取っていないのでどうなったかわかりませんが、元気でいることを望むばかりです。

今になって考えます。将来がわからないのは株式投資もサラリーマンも同じ、つまりどちらも未来の見えないギャンブルの側面があるのは変わりないのではないかと。

サラリーマンも、株式投資もギャンブルなのは同じ

株式はギャンブルかもしれません。しかし、丁半ばくちのギャンブルと違うところは、リスクを下げることが出来る点にあります。

いつもお世話になっているしょこらさんの考えを引用させていただいています。

www.haitou-mile-car.com

世界経済は基本的に成長に向かっています。株式投資はそうした経済成長に伴って資産形成を行っていくものです。

全世界の株式に投資する
債権など低リスク資産を取り入れる
時価総額の変動で利益を得るキャピタルゲインか、配当金で利益を得るインカムゲインか自分で選択することができる

など、リスクをコントロールすることが出来ます。

www.smallbird.work

ではサラリーマンはギャンブルとは言えないでしょうか？一見サラリーマンは、働いていれば一定の給与がもらえて生活は安定しているように見えます。

しかしサラリーマンには大きなリスクがあります。

給料が下がったり、転勤があるかもしれない
リストラにあうかもしれない
最悪、会社が潰れるかもしれない

これらは全てサラリーマンにとって起こりうる事象であり、しかもコントロールできないリスクです。リスクを抱えている以上、サラリーマンだけを続けることもある意味ひとつのギャンブルではないでしょうか？失業すればそれなりに補償は出るものの、それで一生生計を立てることはできません。

「株なんてギャンブルをしないでしっかり稼ぎなさい」と熱いメッセージを残した取締役のいたバイト先の会社は潰れました。たった数年で会社がつぶれる未来は私には予測できませんでした。結果として、サラリーマンを続けて生計を立てることは予測不可能な未来かつリスクのコントロールできない事象であり、株式投資を未来の見えないギャンブルと呼ぶのなら、同じかそれ以上に性質の悪い物ではないでしょうか？